介護職におけるキャリアアップの流れ

介護職のキャリアは、現場において介護が必要な人(要介護者)のサポートにあたることから始まります。現場となるのは介護施設や病院、または要介護者の自宅です。自宅が現場となるのは、訪問介護という形式があるからです。

最初のキャリアアップとして、基本的な介護業務に習熟することが求められます。学生時代に介護の基本を学んでいる場合もありますが、実践の場では教科書通りにいかないことはめずらしくありません。当然ながら要介護者には個性があり、必要とする介護が異なり、認知症の進行など状況の変化があるからです。新人時代には先輩のサポートを得られるのが通例ですが、なるべく早く基本業務に慣れる必要があります。

次の段階になると、他のスタッフの指導ができることが求められます。簡単にいえば、自分が先輩として後輩を指導する立場です。職場によっては、すぐに後輩ができてしまうこともありますが、介護業務はチームで行うのが基本なので適切に後輩を指導しましょう。

後輩の指導がおおむね問題なくできるようになると、現場から少し離れて管理職的な立場になります。要介護者に対する直接の介護業務が少なくなり、指導・監督が主な業務です。経験の浅いスタッフや要介護者の家族から相談を受ける機会も多くなります。介護スタッフというよりは経営者に近い存在です。

以上が介護職の主なキャリアアップになります。途中で転職する例はめずらしくありませんし、新規に介護拠点を立ち上げる例もあります。

介護業界のキャリアアップの難しさと転職

介護業界というものは、今後高齢化がますます進んでいく日本にとって重要な仕事ではありますが、いまだにその労働環境が整っていないという問題が大きくのしかかっています。介護の仕事においての問題は、まず精神的にも体力的にもきついにもかかわらず給与や待遇が悪いことがあげられますが、それと同時にキャリアアップの道が明確に整っていないこともひとつとしてあげられます。

介護業界で働く人の多くは、どのようにキャリアアップをしていけばよいのかというのをわかっていない人が多いです。その理由としては、まず時間的な余裕がないということがひとつです。介護の仕事は行う仕事内容の変化は少ないですが、その日々の仕事の中でたくさんの問題が浮き上がるとともに、仕事のつらさからキャリアアップについて考える時間的な余裕を持てない人が多くなります。

そのような日々を繰り返していくうちに、何も変わらずに日々が過ぎていき、モチベーションが下がってしまうという問題もあります。また、キャリアアップのためには、資格を取得することが必要となりますが、そのための時間を確保できないという問題もあります。

この問題を解決するためには、転職を検討することもひとつの手としてあげられます。資格支援制度のある職場や待遇がより整っている職場を選んで転職をすることで、キャリアアップについて考えることができて、自分の望む形でのキャリアアップを目指すことができるようになります。様々な施設があるので転職でのキャリアアップはどんな介護の資格を取るかもしっかり考える必要があります。